ESDとは

内視鏡的粘膜下層はくり術(ESD)とは

ガン治療の進化型 内視鏡的療法

大きなガンも分割せずに一括で剥ぎ取ることが可能な内視鏡的粘膜切除術(EMR)を改良進化させた、内視鏡的療法です。
ITナイフ(針状の高周波メス)を使ってガンを切除します。
ガンに直接触れず数ミリ離したところから、高周波で粘膜を剥ぎ取る方法です。 従来では切除が難しかった平坦な病変や一括で切除できなかった大きな病変も切除が可能となってきました。

ESDの手術について

手術時間と入院日数

通常ESDは全身麻酔で行われますが、患者が検査室のベットに寝ている時間は30分~3時間で平均60~70分程度です。 また、開腹手術よりも負担が少なく入院も4~7日程度です。

ESD(内視鏡的粘膜下層はくり術)の手術の方法

手術の方法として


  1. 内視鏡で確認し、切り取る部位に目印をつける
  2. 粘膜の下に食塩水などを注入して病変を浮かせる
  3. スネアーの代わりに高周波メスで粘膜を切開
  4. 粘膜の下(粘膜下層)を慎重に剥離(はくり)する
  5. 切り取ったあとを止血

切り取った部位は顕微鏡で組織検査をし、根治しているかをみます。
ESDでは大きな病変もひとかたまりで取れ、また病理検査でのより正確な診断にも役立つと考えられています。

ESDの利点とは?
患者の負担が少なく、大きながんも完全に切除

ESDの利点は、EMRに比べてがんの完全切除率が高い上、切除できるサイズに制限がありません。
開腹手術に比べ内視鏡手術は短時間で、肉体的にも費用的にも患者の負担が少なくすみます。

また、胃を切除すると、消化不良や、食物が急激に腸に流れ込むことで起こるダンピング症候群(動悸(どうき)、めまいなど)などの後遺症に悩む例も少なくありませんが、病変だけを取る内視鏡手術の発達で患者の生活が向上してきました。
手術後にもとの生活へスムーズに戻れます。

保険がきき、手術費用もおさえられる

胃癌の治療費には健康保険がききます。
一例ですが、入院代も含めた自己負担分は十万円以内に収まるケースが多いといわれています。

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