上部内視鏡(経口&経鼻)

内視鏡検査の診断効率向上に努めています。

内視鏡検査は高機能機種を使用

内視鏡検査機器は2022年2月、高精細機能を搭載したオリンパス社EVIS X-1シリーズCV1500に入れ替えました。本機種は同社の最新テクノロジーであるNBI(NarrowBandImaging狭帯域光観察)やTXI(Texture and Color Enhancement Imaging構造色彩強調機能)、RDI(Red Dichromatic Imaging赤色光観察)といった画像強調内視鏡技術を搭載しており、通常の白色光と呼ばれる通常の光を粘膜表面に照らすことによる観察のみならず特定の波長の光を照らし深い部分の血管や出血部位・粘膜表層の毛細血管や粘膜のわずかな肥厚などを強調して映し出すことができ、病変の早期発見に役立ちます。   

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経口内視鏡検査  

内視鏡用fiberそのものも高画素に変更
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上部消化管の経口用ファイバーはオリンパス社GIF-XZ1200を用いています。最大径は以前の290シリーズは10mm台でしたが、これは9.9mmとなっており、苦痛の軽減にも寄与し、さらに最大拡大倍率125倍の光学ズームを搭載し、対象病変を高倍率で拡大観察が可能となっており、本体システムとの掛け合わせることで従来の方式では発見が困難であったかもしれない微細な粘膜構造の変化も、観察しやすくなりました。観察画像品質の向上と画像記録の敏捷化が得られるため、観察時間も以前に比べると圧倒的に短時間化しているのも特徴です(当院の場合、約5分前後)。

また、経口内視鏡を可能とするために、ファイバーが喉を通過する際に、患者さんの呼吸や嚥下による咽喉頭の動きをうまく利用し、できるだけ苦痛なく挿入できるようなお声かけも行っています。
※静脈麻酔をかけた苦痛軽減について措置について、一定の基準をクリアしていただいた場合に対応させていただいていますので、ご相談ください。

 例1)当院でピロリ菌陽性と診断した萎縮性胃炎 

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 例2)当院で診断されたピロリ菌除菌後の早期胃癌

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経鼻内視鏡検査  

経鼻用fiberも高画素機に変更
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ゼリーをためることが出来ない人、喫煙習慣などにより咽頭反射が強い人、または独特の圧迫感に耐えられない人、などについては鼻から内視鏡を入れることにより、舌の根元に触れずに気管分岐を通過でき、ほとんど吐き気をもよおすことなく検査することができます。

現在当院で使用しているのはオリンパス製経鼻内視鏡GIF-1200Nで、画像ノイズが少なく、高精度レンズの使用、明るさ確保により微細な観察を可能とします。先端部径5.8mmを用いており、先端部の軟性化と挿入感の適度な硬度を保っています。喉にゼリーをためることが出来ない人、喫煙習慣などにより咽頭反射が強い人、または独特の圧迫感に耐えられない人、などに経鼻内視鏡を用いることにより、ほとんど吐き気をもよおすことなく検査することができます。


内視鏡検査、経口or経鼻の比較

それぞれにメリット、デメリットがあります。
鼻からで苦痛が少ない経鼻内視鏡のしくみ

口から内視鏡を入れる場合は、異物がつうかすることで、「おえっ!」となる咽頭反射が起こります。経口内視鏡で検査を行う際、検査開始前に咽頭に麻酔薬ゼリーを数分間、喉のできるだけ奥の方で貯めて頂きます。これは、カメラが通る部分の感覚を麻痺させることで検査を可能とさせるものです。 さらに検査性質を向上するために、ファイバーが喉を通過する際に、患者さんの呼吸や嚥下による咽喉頭の動きをうまく利用し、できるだけ苦痛なく挿入できるようなお声かけも行っています。それでも苦痛は生じますので、当院では条件付きで静脈麻酔による鎮静下検査も導入しています。 ただし経口、経鼻にはそれぞれメリット、デメリットがありますので、至適な検査方法を選択することにより患者さんの利益を確保します。

検査器具・環境は常に清潔を保持

内視鏡介在感染を防ぎます
堀胃腸外科のピロリ菌内視鏡介在感染をふせぐ内視鏡消毒装置

一般細菌の内視鏡介在感染は常に問題となります。
これらの内視鏡介在感染を防止する為、当院では先代の頃より内視鏡消毒装置を導入しており、お一人の検査が済むたびに専用の消毒・洗浄機により使用器具の清浄化を当然のごとく怠りなく行い、清潔な内視鏡での検査・治療を心がけています。
また、検査ごとに飛沫する唾液などの体液による医療者を介した感染拡大予防のため、従事する医師・看護師の感染予防衣の着用、検査室内の換気などの対策も行っております。

下部内視鏡(大腸カメラ)

下部消化管内視鏡

内視鏡検査は高機能機種を使用

会社の健康診断などでは便潜血検査を施行され、陽性反応が出た場合は「要精密検査」を指示されます。その場合大腸カメラを指示されることが多いです。

この検査は腸内の便を綺麗に出し切る前処置を行った上で粘膜面を観察します。弛みの強いS状結腸や横行結腸を折り畳みながら挿入します。従来のバリウムを注入する造影検査と比べて、小さなポリープなどの病変や炎症性疾患などによる色調の変化などを直接見ることができ、また同時に将来癌化すると言われている大腸ポリープのなかでも、腺腫成分の入って腫瘍も同時にコールドスネアまたは内視鏡的粘膜切除術(EMR)にて切除することが出来ます。

大腸内視鏡検査も高機能・高画素機を使用

内視鏡検査本体が高精細機能を搭載したオリンパス社EVIS X-1シリーズCV1500ならば、拡大やNBI,TXIなどの特殊光観察が可能、かつ高精細で観察可能なfiberを組み合わせることで、さらに診断効率の向上が図ることができますので、当院ではfiberそのものも、2022年3月ころよりオリンパス社のCF-XZ1200Iに機種変更しました。
それにより、かなり小さな病変や平坦で隆起の低い病炎の指摘も増加し、診断率が向上しております。

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例)当院で診断した上行結腸の30mmを超える平坦な早期癌(上行結腸) 

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挿入方法について

当院では大腸カメラについては、原則的に軸保持短縮法による挿入を行なっております。無送気、注水法も併用し、いわゆるpush法は選択しておりません。それにより痛みのない検査が可能となっております。

軸保持短縮法…
大腸は特にS状結腸と横行結腸は腹腔内では腸間膜にぶら下がっているだけで自由な状態(ブラブラ)です。そこに内視鏡をただ押し進めていくと、S状結腸、横行結腸は腸間膜を伸ばしながらトグロを巻いたようになり前に進まず盲腸まで到達できません。腸間膜を伸ばしてしまうと、鎮静剤使用下においても目が醒めるほどの激しい痛みとなります。当院の場合、挿入するのに必要な時間は約5-10分です(過長なかたや術後の方はその限りではありません)。

痛みなく進めるのは、ただ押すだけ(push)でなく、時には引き戻す(短縮)ことでジャバラ状のS状結腸、横行結腸を折りたたみながら(軸保持)進ませることが肝要です。
これが上手くいくと、痛みを回避する目的の鎮静剤を使用し眠りながら挿入する必要がなくなり、余裕があれば大腸カメラの画像を患者さんと一緒に説明しながら(説明を受けながら)観察することが可能になります。
検査時間は所見の無い方で、約10分程度です。

ガン早期治療

 

当院実績


  GIF(胃カメラ)  CF(大腸カメラ)  内視鏡総件数 
 2018年  793  321  1114
2019年  899  418  1297
 2020年  661  375  1036
 2021年  773  417  1193
2022年  824  475  1299
 2023年  869  515  1374
2024年  755  536  1291
       
       
       
       
       

マルチスライスCT

被爆量の少ないCT

無理なく検査を受けていただくために、クラス最速の0.75秒スキャンにより、患者さんの息止めの時間が短縮されます。 低線量でも高画質、高精細画像が得られるシステムで診断に大きな力を発揮します。

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CT検査の多様性

CT検査は多様な用途で撮影を行い診断に役立ちます。
デジタル空間認識技術にて対象領域を記録し画像を構築します。通常の定期検査はもとより、緊急検査にも効力を発揮し、低侵襲性と迅速性で外来での診断率向上に寄与します。
ここでは当院で行われているCT検査の結果のごく一部をご紹介します。

例1)胆石症の術前検査
造影剤などを用いることにより構造の立体構成などが描出が可能となります。

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この画像は胆石症患者において胆のう摘出術を必要とする場合に、術前に胆のう管の走行状態を確認するための術前情報を得るために行った3D構築像です。

例2)悪性リンパ腫と診断
腹部違和感訴えて、消化器疾患疑い及び検査希望で来院されましたが、受診当日に行った腹部CTにて悪性リンパ腫を疑いました。この患者さんは直後、連携病院である兵庫県立がんセンター血液内科へ紹介させていただき、まさに大細胞性B細胞性悪性リンパ腫と診断され加療、寛解し、現在も元気に過ごされています。

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例3)癒着性の腸閉塞と診断
嘔気と腹痛を訴えて来院されました。受診当日に行った腹部CTにて過去の外科手術に基づく腸閉塞であると診断しました。この患者さんは連携病院である加古川中央市民病院へ紹介させていただき、保存的に軽快されました。

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例4)胆嚢癌と診断
胃カメラ検査希望の際にスクリーニングとして腹部超音波検査を行いました。胆のうに不整な隆起病変を認めたため、腹部造影CTを行い、胆嚢癌と診断しました。この患者さんは連携病院である兵庫県立加古川医療センターへ紹介、院長も手術参加しその後軽快、現在も元気に過ごされています。

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デジタルX線テレビシステム

X線検査装置

堀胃腸外科の検査機器 デジタルX線テレビシステム
デジタルXとは

リアルタイムに胃や腸等の消化器の様子を映し出します。
わずかな病変も見逃すことはありません。
短時間で検査ができること、苦痛がないことなど、安心かつ効果的な検査が行えます。

特徴

1.市民病院や県立病院などの周辺基幹病院と遜色のない高水準の消化器検査が実施できます。
2.撮影画像は、デジタル処理・保存でき、従来のフィルム観察にくらべるとわずかな病変も見逃しません。
3.デジタル処理をする事により、従来の機器よりX線被曝量が少なく検査が可能となります。
4.撮影時条件ですぐに観察できること以外に、後に事後処理で条件を変化させてみることが出来るため、より正確な診断が行えます。

超音波検査

超音波検査装置

超音波検査とは

 超音波検査(ちょうおんぱけんさ)・エコー検査(エコーけんさ)は、超音波を対象物に当ててその反響を映像化します。
腹部のスクリーニングとして、肝臓、腎臓、脾臓、胆道、などの腹腔内臓器の観察を行うのに適しています。

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その他に、CTなどで写らない胆のう結石や、肝臓や膵臓の占拠性病変の質的診断、その他の腹部以外でも標的部位の存在診断、不可視領域への穿刺手技における補助ガイドなどで使用します

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