ピロリ菌除菌療法への注意 それが是か非か?

それが是か非か?平成6年以来1000例以上のピロリ菌除菌治療の豊富な経験から!

検診でピロリ菌が見つかった = ピロリ菌除菌?

最近、保険センターや会社検診で「ピロリ菌検査が陽性と出ました。精密検査を受けてください。」との報告書を受け取り、驚いて胃癌になりそうだから早く除菌をしてほしいと来院される方が時々見受けられるようになりました。

確かにピロリ菌は、胃の粘膜下に住み込み、永くかかって胃の壁に障害を与え、潰瘍や慢性胃炎ひいては胃癌、低悪性度MALTリンパ腫へ発展していくことがわかってきました。そしてピロリ菌学会でも胃がん予防に除菌を推奨しています。

この菌の存在発見は近年ノーベル賞の対象となりました。ピロリ菌は、胃液中の胃酸を取り込んでアンモニアを作り、胃の壁のもろもろの因子を破壊していくといわれています。その速度は人により異なり、タバコ喫煙者や大酒、強い塩分食物を食べる人でその障害度は早いものと推察されます。反対に酒もタバコものまず野菜や果物を多く食べている人には、ピロリ菌を持ちながらも、胃の障害少なくきれいな胃壁を見せる方が見られます(特に女性に多く見られます)

さてピロリ菌がいると認定されました。あなたは、これは大変!すぐ消毒・除菌治療を急ごうと。

でも待ってください。何のために除菌治療をなさるのですか?

現在日本では、保険治療が可能なのは胃・十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫、血小板減少性紫斑病、早期胃癌内視鏡切除例に限られています。確かにこれらの病気はその除菌治療の効果が確かめられています。

しかしこのほかには、実際ピロリ菌によって生じている激しい慢性胃炎、それに伴う兄弟近親者に胃癌が多い、また慢性胃炎を伴う貧血など、ピロリ菌による所見と考えられる方に除菌の価値はあるといえます。また激しい慢性胃炎に喫煙や大酒をなす人は、将来の癌発生のリスクを有し続けることはほぼ間違いないでしょう。なぜならタバコや大酒には明らかに発癌物質や発癌性があることがわかってきているからです。

ピロリ菌感染のみで胃癌になるとは考えられません。それなら日本人1億2千万人人口の約6~7割以上の人がピロリ菌に感染しているといわれ、その人たちが全員胃癌になるとするなら、日本中にもっと胃癌患者があふれているはずです。

したがってピロリ菌感染の上に、発癌性ある生活環境にも注意を払うべきではないでしょうか。タバコの煙を吸わされている方も該当するでしょう。慢性胃炎化させるピロリ菌のいないほうがよいことはほぼ間違いないでしょう。でも老齢化して、高度な慢性胃炎が除菌して改善することは少ないようです。除菌するならできるだけ若いうちに除菌したほうが粘膜病変の改善がみられるようです。なぜなら除菌しても胃癌発生を見せる例には老年高齢者が圧倒的に多いからです。

日本ではピロリ菌による保険適応疾患以外の方の除菌療法は自費診療に回らざるをえません。さてそこでもう一度ピロリ菌保有者とされた方に、ヒステリックに除菌の必要はあるのかどうか考えてみましょう。

除菌療法をすれば、何もかも良いこと尽くめになるのでしょうか。

もともと愁訴(症状)が無い、あるいは胸焼けが強い人、それに非常に程度の軽い慢性胃炎の持ち主にピロリ菌存在を指摘された人に、除菌後もっとも多い愁訴は強い胸焼け感が発生してくることです。ピロリ菌は胃液中の胃酸を必要として生きています。それを消滅させれば、その胃酸がそのまま胃に存在し、胸焼けを生じさせる訳です。中には胃の入り口に噴門癌の発生をみることがあります。

したがって除菌を希望される場合、専門医とよく相談され、その除菌が必要なものかよく納得されてから除菌療法を行うことをお勧めします

当院では専門医が患者様にあった対処法をします。ピロリ菌について悩まれている方は、ピロリ菌外来をご利用ください。

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